何事にも全力投球!華やかなデパ地下の舞台裏でみんなの“安全”を守る舟橋さん。
皆さんはデパ地下を利用したことはありますか?
色とりどりの美味しさが揃うデパ地下は、歩いているだけで明るい気分になれますよね。
ご褒美に食べたいケーキが勢揃い! /ヴィタメール
見た目にも鮮やかなサラダたち/ポール・ボキューズ
そんな美味しいものの宝庫である反面、お客様の「健康」と「生命」に直接関わる食品を扱うため、日々それを守ってくれている人がいることをご存知ですか?
こんにちは、金城学院大学の「まな」と「かな」です。
今回ご紹介するのは、「安全・安心推進担当」として、食品フロアで食の安全を守っている舟橋美沙さんです。
舟橋さんは10歳と14歳の二人のお子様を持ち、時短勤務で働くお母さんでもあります。
今回はそんな舟橋さんに、家事や育児との両立、お仕事への向き合い方など、貴重なお話を伺いました。
食の安全・安心のプロに密着!
ごちパラのレスキュー隊!安全・安心推進担当のみなさん。
左から締次さん、舟橋さん、宮坂さん
——「安全・安心推進担当」は初めて聞くお仕事ですが、どのようなお仕事ですか?
舟橋さん:
「安全」「安心」という言葉はよく耳にすると思いますが、似ているようで性質が全く異なります。
「安全」は安全性と使われるように、客観的な言葉で対義語は「危険」。「安心」は安心感と使われるように、主観的な言葉で対義語は「不安」です。つまり「安全・安心な百貨店」とは、「危険・不安のない百貨店」ということなのです。
安全、安心にお買い物をしていただける環境作りを推進することが私たちの仕事。安全で安心な環境とは「火災やケガ、アレルギー・食中毒・異物混入」を予防することだと思っています。
デパ地下は美味しいものの宝庫なのですが、その反面、食品はお客様の「健康」と「生命」に直接関わるものです。法令違反や事故発生はお客様にご迷惑をおかけするのはもちろん、営業存続を脅かす事態もあるため、色々な法律(食品衛生法、食品表示法等)を念頭に「法令順守しているか」「安全な環境(衛生面が整っている)で調理ができているか」を日々確認をしています。
開店前に、表示ラベルの表示漏れやミスがないかをチェック。
——毎日の仕事、週の仕事があれば教えてください。
舟橋さん:
催事などで、初めて出店されるお店は、常にあるお店よりリスクが高いので、必ず催事場は毎週確認しています。詳細はこのような形です。
◯毎日:冷蔵庫の温度点検(1日3回)、厨房点検(チーム交代制)、販売前に商品企画書(カルテ)の確認→指摘箇所があれば、担当者に修正依頼
◯催事の立ち上がり日:開店前に表示を確認
◯大規模催事の前日:夕方から全ての商品の表示確認
イベント出店には事前に消防や衛生設備に関して厳しいチェックを受け
名古屋市から「営業許可書」をもらいます。
——舟橋さんは、『中級食品表示診断士』『百貨店食品安全アドバイザー』『 食品衛生責任者 』『(社)日本食品衛生協会 食品衛生指導員』と沢山の資格をお持ちですね!会社から資格が義務付けられているのですか?
舟橋さん:
『中級食品表示診断士』は現担当に必須の資格です。配属が決まってすぐに資格を取得しました。
『百貨店食品安全アドバイザー』や『食品衛生責任者』の資格は、より知識を深め、説明できるようになるために、自主的に取得しました。全く知識がなかったので、ショップの方に衛生面で指摘する時に資格があった方が伝えやすいと思ったからです。
——今までにあったすごく大変なことはどのようなことですか?
舟橋さん:
安全・安心推進担当は『中級食品表示診断士』の資格が必須なのですが、試験日が6月末。3月に配属されて取得するためには4ヶ月と全然時間がなく、とても大変でした。
今まで食品売場に携わったこともなく、新しい職場で食品表示の知識はほとんどゼロ。家事・育児をしながらの資格の勉強だったため、模擬試験や過去問をひたすら解き、テキストで確認するなど、寝る間も惜しんで夜遅くまで勉強したことが、ここ最近で大変だったことです。
ショップの方とのコミュニケーションも大切にしています。
——逆に嬉しかったことはどのようなことですか?
舟橋さん:
ショップの皆さんに対し、安全・安心を追求するために指摘、指導することが多く、お客様のための指導なので、つい熱が入ってしまうこともあります。販売員、厨房従事者などショップの皆さんに理解していただき、改善してもらい、同じ目線に立ってもらうことは簡単なことではないですが、指導した後、再確認した際に内容を理解していただいて、改善できる状況が確認できたときは、やっぱり嬉しいし、やりがいを感じます。
——今後の目標を教えてください
舟橋さん:
「舟橋さんに聞けばすぐに答えが出る」という、今以上のスペシャリストになりたいと思っています。
相手が納得するまで粘り強く説明し、理解してもらえるよう伝え方を意識されているという舟橋さん。そんな舟橋さんのお話から、相手の意図を汲み取ることの大切さを改めて感じ、仕事を円滑に行うためにも、改めてコミュニケーションの重要性に気付きました。
育児と家事を両立するために
——舟橋さんは育児と家事を両立されているとのことですが、どのように気持ちを切り替えて仕事をされているのですか?
船橋さん:
そうですね。本当に毎日時間に追われる日々です。
とにかくスケジュール管理を(仕事も家庭も)常に意識しています。通勤中に今日のスケジュール確認や今日の仕事の振り返り、これからの家事の段取りなど・・・
21時頃まではバタバタとしていますが、夕飯は家族全員が揃って食事をしながら今日の出来事を聞いたり、家事が落ち着いた後はSNSやTVを観てリフレッシュをしています。
あとは、私の一番のリフレッシュ方法は休日に大好きなパンめぐりをすることかな(*^^*)
毎日とても忙しい中、空いた時間は好きなことを楽しむことでしっかりリフレッシュされているんですね。とはいえ、どうしてもだらだらしてしまうもの。誰でも簡単に出来ることではないので、舟橋さんは本当に芯の強い方なのだと思いました。
家事や育児、仕事だけでなく、資格の取得まで両立されていて、時間の使い方と自らのスキルアップに対する姿勢が印象的でした。
働くことについて学生さんへのアドバイス
——最後に、働くことについて学生へアドバイスをお願いします。
舟橋さん:
女性は結婚や出産といったライフイベントがキャリアに影響するケースがあり、実際私もこれまで仕事内容や仕事に向き合う瞬間が大きく変わりました。でも、それをプラスに考え、その時々の仕事に精一杯取り組むことで、自分の強み・知識をさらに膨らませるチャンスが与えられたと感じています。そして、仕事に取り組む時間も限られますが、時間の使い方を意識することで、多くの仕事を効率よく取り組むこともでき、キャリアアップに繋がっていきます。ぜひ、何かに取り組む時は、時間やスケジュールを意識して取り組んでください。
限られた時間の中で与えられたことを全力で取り組むことや時間を無駄にしない使い方によって、キャリアアップに繋げられるということを知り、舟橋さんの常に全力で行動し、生き生きとされている姿にとても憧れました。
取材を終えて
さまざまなキャリアを持ち、多くの困難を経験しながらも、どのような状況でも常にポジティブで明るく、芯の強いパワフルな舟橋さん。
私も舟橋さんのように、時間の使い方を意識して、そのときに出来ることを精一杯頑張り続け、自分の可能性を広げられるように成長していきたいと思いました。
《今回のゲスト》
松坂屋名古屋店 店舗戦略運営部
安全・安心推進担当
舟橋美沙さん(中央)
趣味は、パン屋巡り
ライター、フォト:金城学院大学 かな、まな
百貨店の新たな魅力をお届け!
愛知の学生が広報(アンバサダー)となり
松坂屋名古屋店で働く人やコトをご紹介いたします。